木力館ブログ

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経年による「美化」について

 今回は、館長の私(材木屋のおやじ)が思う事を書いていこうかと思います。

 古来より、日本ではさまざまな建物を建ててきました。お寺や神社、民家、お城に屋敷、そして庶民の長屋などさまざまです。それらは、いずれも日本の気候風土に合った伝統的建材、自然素材を使い、古来より脈々と続く伝統の技を用いて、巧みにつくられてきました。

 日本の無垢材は経年による「美化」があります。年月を経た分、味わいが深まり、色味も落ち着き、良い風合いが出てくるという意味です。これは、古民家や古くから続く神社、仏閣等の建物を見ればお分かりになるでしょう。

古民家の画像(フリー素材をお借りしております)

ところが、現在建築の主流である「新建材」は、年数が経っても変化するだけで、「良くなる」と言うことはありません。傷んだりして悪くなるだけだと思います。それは何故でしょうか。

 天然乾燥材など、自然そのものを活かした素材は、年数が経っても味わいが深まります。ところが人工乾燥材や集成材など、いわゆる「新建材」は年数が経っても変化するだけ、悪い言い方をすれば「劣化」するだけです。

 今の日本の木造建築は、集成材や合板、いわゆる「新建材」がほとんどです。天然乾燥の木材や自然素材等を使う事は非常に少ないのが現状です。これでは、本物の良さや味わいが分からない、と言うことにもなりますし、「興味がわかない」事にもつながります。これで本当に良いのでしょうか?

 無垢材、天然乾燥材の良さは、香りです。本物の木のもつ豊かな香りにより、部屋の空気が和らぎ、住む人の安らぎにつながります。一方の人工乾燥材や集成材、合板等では、本物の木の香りはしません。特に合板やビニールクロスはもはや「化学製品」の臭いです。これでは安らげるはずもありません。

 館長の私(材木屋のおやじ)としては、住まいの空間に、少しでも伝統的建材や自然素材を使う事をお勧めします。それは何故か? 伝統のもの、本物を知り、普段から接する事で、これらを身近に感じ、その良さを体感してもらいたいからです。

 住まいの1から10まで全てを伝統的建材や自然素材を使う事は、さすがに今の時代では無理が有ります。しかし、全体の10のうち2か3程度なら、無理のない範囲で、伝統的建材や自然素材を使う事は可能だと思います。それは家づくりだけでなく、リフォームや模様替えにも当てはまります。

 例えば、構造躯体に伝統工法と無垢材を使う。例えば、洋室の壁の一面をビニールクロスではなく、無垢材の壁板や漆喰塗にする。例えば、床の一面を合板フローリングでなく無垢の床材にする。ちょっとの事でも良いので、本物を使う事で、その良さを体感する事が出来るかと思います。

 日々の暮らしに、無理のない範囲で、本物の伝統的建材や自然素材を使う。これにより、伝統の良さ、年を経て初めて分かる味わい深さを体感できるのではないでしょうか?

 皆様はいかがお考えですか?
 木力館は毎日元気に開館、皆様のお越しをお待ちしております。本物の木を五感で体感できる、全国でも珍しい木の博物館です。家づくりやリフォーム・模様替え等に関する相談も無料で受け付けておりますので、ぜひお気軽にご来館ください。

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