木力館のとりくみ

SDGsのとりくみ

二宮木材株式会社工場見学の様子

新春の候、皆様方におかれましては、いかがお過ごしでしょうか?

さて、以前からお付き合いさせて頂いております二宮木材様へ、ご挨拶を兼ねて、工場での作業風景を拝見させて頂きました。

ちらの会社は、丸太から木取り、製材、乾燥、プレーナー加工などを行っている栃木県を代表する企業の一つです。
八溝山の良木を使った、二つのブランドも有名であり、たくさんの国産木材を加工した物などを、世に送り出している様です。

それでは早速見学させて頂きます!

▼山では仕分ける事が出来ない為、大小様々な形の丸太が搬入されます。

▼選木機で仕分けされ、リングバーカーで皮を剥かれた木取り前の丸太!

▼三種類の製材機

その1 令和のノーマンツインバンド

ノーマンと言うだけあって、丸太の製材に人の手を必要としない、異次元の製材マシン!(厳密にはコンピューターの設定や不具合がないか監視する人は必要)
しかも、最適な木取りの判定だけじゃなく、仕分け、桟積みまで全自動で行う優れもの!
実際に近くで拝見していた限りでは、機械的なエラーもなく、人の何倍もの速さで丸太が製材されていく様子でした。

その2 平成のツインバンド

これが元となって、人の手をすべてコンピューターに任せて、全自動化したものが、令和のツインバンド!
帯鋸が向かい合って稼働しているので、丸太を一度通す事で、二枚の板が取れる為、生産性向上の一役を担っている。

その3 昭和の帯鋸(バンドソー)

昭和初期から一般化していく帯鋸盤による製材加工、大きな製材工場や生産性を重視する工場などが導入し始めました。
ここにある物が昭和の何年生なのかはお聞きしませんでしたが、他の2基と比べると、例えば、令和のノーマンツインバンド=大学新卒の入社3年目の全てをそつなくこなす有能社員、平成のツインバンド=入社20年目のベテラン社員、そして、昭和のバンドソー=創業当時より現場一筋で、たたき上げの昭和の熟練職人さんのイメージがしました。

実際にノーマンツインバンドとツインバンドは生産性の面では、質感及び数量においては優秀なのですが、器用さにおいては、昭和のバンドソーに一歩およばない所があるそうで、その理由からまだまだ現役で稼働させているらしいです。

▼製材が終わり桟積みされた木材を乾燥させる工程

木材乾燥機の熱源は、丸太の皮、プレーナー屑、端材などの、自社製材過程で出た不要になった部分を、バイオマス燃料として確保して賄っています。

▼乾燥後のプレーナー加工工程

▼厳しい検品をクリアしたものが、桟積みされ出荷や在庫商品になるそうです。

この他にもとても参考にさせて頂くような事がたくさんあり、特に検品作業が素晴らしく、各部材、例えば構造材には構造材のプロがあたり、内装材、羽柄材とそれぞれに詳しい方が検品をしていました。
お客様に満足していただく為の商品なので、検品とはすべてにおいて大切なプロセスの一つです。
こうした作業において、内容を濃くし、妥協を許さずにしていれば、そこに至るまでやその先の工程においても、相乗効果によって、より良い物に変化していくんだなと感じました。

今回工場の見学が出来たのは、二宮木材株式会社 二宮専務の特別な御取り計らいにより実現されました。

SDGs『持続可能な開発目標』を念頭に置き、それぞれが機能して、繋がり、一つになる。
森林から始まり、人類社会に恵みをもたらし、住みやすい環境を維持する事、我々の仕事は、森と人々を繋げるきっかけを作っています。
人々の木の魅力に対する意識が上がり、木の需要が増えれば、林業の活性化につながると同時に、森林環境もよくなり、水、空気が清浄化され、森が整備される事で自然災害の発生も減り、我々の生活圏がとてもよくなります。

正に、『持続可能な開発目標』が歩み始めています。

今回の工場見学で感じた事は、二宮木材様のすべての方が、同じ方向を向いて、ゆっくりと確実に、歩き続けているんだなと思いました。

貴重な体験や、お話が出来て、大変有意義な時間を過ごす事が出来ました。
ありがとうございました。