木力館のとりくみ

学校でのとりくみ

校外学習の一環とした簡単な椅子作り

立冬の候、暦の上では冬となりました。
暖かい日々が続いていますが、皆様、いかがお過ごしですか?

令和4年11月10日、校外学習の一環として、木工作品の制作をする為、さいたま市の子供たちが、木力館に来てくれました。

校外学習の一環で木力館へ来てくれたさいたま市の子供達

木工制作(椅子作り)を始める前に、木力館の見学をしてもらいました。
木の香りのサンプルや、推定樹齢1000年の桑の木の根元などに、とても興味を示していました。

木力館自慢の木の香りが濃厚なクローゼット!

特に子供たちが意欲的だった場所は、館長自慢の木の香りが濃厚なクローゼット!
館長の案内の元、順番にヒノキの香りや、青森ヒバの香りを楽しんで、深呼吸している人もいました。

人は五感で感じたものを、同時に関連付けて脳に記憶して忘れない!と言われていますが、この木の香りと、今日一日の出来事を、良き思い出として、綴ってもらえる事と願っています。

木力館自慢の無垢の螺旋階段

木力館自慢の一つでもある、一本の丸太から削り出した、無垢の螺旋階段!
一通り木力館の見学も終わり、螺旋階段の説明を受けつつ、同敷地内の特設椅子つくり会場に移動する皆さん。

職人さんと皆さんの初顔合わせ!

今回の木工制作サポートをしてくれる職人さん、実際に作業する皆さんに、注意事項と制作手順の説明、そして、いよいよ木工制作開始です。

作業台に立つ引率の方や子供達

普段からあまり見慣れない大工道具や、椅子になる木材を目の前にして、困惑している子供達に、『こうやって使うんだよ』と、優しく教えてあげる引率の方達が、とても頼もしく思える一面もありました。

真剣に取り組む皆さん

まずは、椅子の足の部分の枠組みから作成ですが、引率の方や職人さんが教えた事を、すぐに吸収し自分の物にする、そして、あっという間に足部分の完成!
子供たちの上達の速さには、目を見張るものがありますね。

完成した二つの足部分をつなぐ作業

出来上がった足部分をつなぎ合わせる作業、これも問題なくこなしていますね。

ここまでの作業を見ていると、やはり個々でやり方の違いが出てきます。
周りと協力し合って作る子、誰よりも早く作ろうとしている子、ゆっくりだけど確実に失敗の少ない作り方をしている子などです。

ただ、みんなに共通する事は、失敗しても妥協せず、また最初からやっている事が見られます。
例えば、釘打ちですが、釘が曲がってしまったら、その釘を抜いて、また新しい釘で打ち直す、打ち直す時に、『前回は何で曲がってしまった』のか考えて、金槌の持ち方や打ち方を変えてみるなどです。

みんなで作った椅子

いろいろ試行錯誤しながら、とても上手にきれいに完成しました。

満足して作った椅子に腰かける子供達

自ら作った椅子に腰かけて館長と記念写真、達成感と立ち仕事で疲れたのか、終始まったりモードでした。w

~まとめ~

終わりの挨拶

この椅子作りを通じて感じてほしかった事は、この制作に用いられた木材は、皆さんの手によって、椅子という形で第二の生を手に入れました。

木という生物は、森林で生まれ育ち、木種によって違いますが、50~100年前後の間は、森林でおいしい空気や水などを作ったり、しっかりと根を張って災害などから山などを守ったり、これが第1の生です。
そして、森林での役目を終えた木は、伐採、製材を経て、建築資材やいろいろな物に変化して、より一層我々の生活に溶け込んできます。これが第2の生です。
やがて、第2の生を終えた木材は、資源へと利用されて、様々な形で森林の養分として帰っていきます。これが第3の生です。

全ての人に、人類社会が森林から受けている恩恵を今一度思い出し考えて、森林の大切さや重要さを、木に触れ、木の香りを感じ、そして、第二の生を得た木の便利さ、ぬくもりなどに感謝をして、木を、森林を大切に考えてもらえたらいいなと思っています。

最後に、今回の校外学習で、木力館を選んで頂いた事への感謝と、当日皆さんがとても楽しんで頂けた事と、この日、皆さんと共に、木材制作に携わる事が出来た事へ、感謝の念でいっぱいです。

木力館では、学校行事や団体行事など、様々なご相談を受けております。
今後、それらを軸に、木力館を木に関する学び舎として、率先してお受けする方向で考えております。